水泳:競泳:レース用の高速水着を購入したら、本番までにどのような準備をしておくのがよいのか

KPSブログ

レース用の高速水着は、特殊な生地を使い、水をよくはじくだけでなく、自分の体にフィットするのが特徴です。タイムを縮めることに貢献するため、水泳選手にとっては非常に重要なアイテムです。しかし、着用に時間がかかる、価格が高い、扱いを間違えると裂けてしまうことがある、などの特性もあります。

この記事では、高速水着についてまとめてみました。高速水着についての体験談は少ないので、ご参考になれば幸いです。
・KPSではどのように指導しているか
・KPSの女子選手が、高速水着をどのように着こなして本番レースに臨んだか
・新宿の水着専門店に教えてもらった本番までの準備のコツ

高速水着についてKPSコーチが指導していること

自分の体の筋肉の付き具合に合わせてフィットしてくれるのが、高速水着の長所。レース本番の2~3週間前には購入しておき、着用に慣れておく、水になじませておく、などの準備が大切。
着用に時間がかかる、普段の水着との着用感の違いが大きい、泳いだ感じがまったく異なる、といった理由から、必ず、事前に3~10回は着用して、自分の体に慣らしておくこと。


生地が硬く、強く、体にフィットする分、体の締め付けも強い。長時間着ていると、圧迫感でつらくなったり、血流が悪くなってつらくなることもある。
速く泳ぐ、結果を出すための水着なので、それに合わせた使い方をすることが大切。

  • 結果を出したいなら高速水着を着用
  • 高速水着は本番用と練習用の最低2枚あると望ましい
  • こだわる人はレースの距離に応じて高速水着を使い分ける(50m用、100m用など)
  • 丁寧に着用することで長持ちさせる
  • 万が一、レース当日に破れてしまうリスクに備え、予備のレース水着を持っておく

KPSでは、レース用高速水着を新調する場合は、遅くともレース1週間前には購入しておくことを指導しています。レース前に、2-3回、レース水着を着用して泳いでおくことで、次のような準備ができるからです。

  • 生地を柔らかくする
  • 自分の筋肉、体形に合わせて水着をフィットさせる
  • 着用に慣れる、着用にかかる時間を短縮する
  • レース当日も、一人で着用できるように慣れておく
  • 生地を水に慣らしておく
  • 高速水着で泳ぐ体感を得ておく

水着は道具です。道具は道具として準備をしておいて、レース当日は、自分のレースプランや、体調管理に集中しましょう。

以下は、経験と体感からお伝えしてしまう、KPS独自コメントです。
高速水着についてのKPS座談会の ”おしゃべり” を記事にしたものです。(あくまで個人的な考えということで、ご了解ください。2023年7月時点の内輪でのトークです。高速水着についての情報は少ないので、ご参考になればと思い記事にしてみます。)
・高速水着を選ぶときは、体のどのパーツが強いかで、選ぶものが変わってくる。どんなレースで、どんなふうに泳ぎたいか、でも変わる。コーチや水着専門店とよく相談して選ぶことを勧めたい。
例えば…。
・腕が強い人は、ミズノとか、スピード。
・キックが強い人は、基本的には、アリーナ、アシックス、ジャケット。
・アリーナは女子用は、首の部分がきつめ、足もきつめ。
・ミズノやスピードは、締め付けることで速さに結び付けるのが設計の考え方。
・パンプアップが起こりうるレースには、ミズノは向かないと、個人的には思う。パンプアップ前に泳ぎ切るレースには良いと思う。(パンプアップ:運動で負荷がかかった筋肉と血流によって、筋肉が一時的に大きくなる現象のこと。)

KPSジュニア女子選手の体験談

レースの2週間前に、専門店に水着を買いに行きました。
店では水着に詳しい店員さんが、高速水着の特徴を、メーカー別に丁寧に説明してくれました。
自分にどれが合うのかわかったので、さっそく試着開始。
店員さんの言う通り、試着用水着は、何回も使われているので、案外すんなりと着ることができました。
問題は、購入した後。レース1週間前のKPS練習会に持っていき、1時間の基礎練習を終えると、コーチが「着替えの時間!」と言ったので、お手伝いの方も頼んで、更衣室に行きました。


確かに自分のサイズにぴったりの水着を買ったはずなのに、着られない💦
両足を入れて、太ももまで引き上げたのはよかったものの、腰で引っ掛かり、引き上げられない!
固いのは覚悟の上だったとはいえ、こんなに硬いとは💦
お手伝いの方に、太ももから腰の上までベビーパウダーをつけてもらい、私は両手に手袋をはめて少しずつ生地を引き上げました。手袋は、爪で水着を破かないようにするためです。高速水着を買うときにセットで勧められました。


生地が硬くて、腰回りを通すのが、とにかく大変。しわしわギュウギュウになっている太ももあたりの生地を、それこそ1ミリ単位で、少しずつ引き上げ、お手伝いの方には、指先で少しずつ水着の中に体を詰め込んでもらい、を繰り返しながら、10分以上かかって、腰を通過。全身汗だく。汗を拭きとってはベビーパウダーをつけて滑りをよくして・・・を繰り返しました。お手伝いの方がいなかったら、心が折れていたと思います。それくらい、初めて着るときは大変でした。

水着が腰を通過したら、あとは楽でした。とはいえ、まだ生地が硬いので、水着の中に収まったお尻は痛いし、太もももギューギューに締め付けられたまま。今度は、お腹から胸、肩へと、水着の生地を伸ばさないといけません。太ももと同じように1ミリ単位で、指の腹を使って生地を引き上げながら、何とか胸を通過。両肩に水着をひっかけると、もう、ヘタヘタと座り込んでしまいたいくらいでしたが、生地が硬くて座れません💦 「とにかく着れた!」と、二人でハイタッチをして喜び、時計を見るとすでに20分以上が経過。 練習時間がもったいないので、二人で走ってプールに戻りました。

飛び込み台のところでは、すでに着替え終わった男子選手が、先に泳いで、新品の水着の感覚を楽しんでいました。私もさっそく、体に水をかけてみると、驚きのはじき力。これはすごいと感動して、飛び込み台に上がりました。飛び込んで25mをダッシュしてみたら、ベストマイナス1秒!「え!マジ?」信じられませんでした。試し泳ぎしてみただけなのに。50mと100mを1本ずつハードして、ダウンしてから、この日の練習を終えました。

その後、さらに2回の練習会の日に着用。2回目は16分、3回目は13分で着ることができました。
お手伝いの方も「これなら当日一人で着られるね」と安心してくれました。
しっかり着用練習をしたので、当日は慌てずに着ることができました。
水着の生地の水慣らしも済んでいたのと、生地が自分の体にとてもフィットしていたので、当日は自分のレースプランに集中することができました。
コーチの指導もあり、ベストマイナス4秒のタイムを出せたのは、とても嬉しかったです。
熱心なコーチや事務局と、同年代の仲間がいて、とても幸せです。
KPSに移籍して本当に良かったと思っています

水着専門店の店長のアドバイス

高速水着を、本番レース前に、2-3回着ておくことは、理想的な使い方です。
時々、このようにおっしゃる方がいます。
「大切なものだから、高価なものだからと、レース当日用にとっておいて、本番前に初めて着用します。」
これは、正直申し上げてNGです。
店で試着するときは、サンプル水着を着てサイズを選ぶので、
「高速水着は硬くて着るのが大変と聞いてたけど、案外着れますね」
と、皆さんおっしゃいます。
でも、購入して自宅や練習会で、初めて着ようとすると、紙のように固くて伸びないので、女性で30分、男性でも10-20分はかかります。着用しながら汗だくになるので、ベビーパウダーを体に振ったうえで、タオルで汗を拭きとりながら、水着に爪をたてないように専用手袋を使用して着ても、です。
ですから、レース当日に初めて着る、というのは、実はおすすめしません。
高速水着の特徴として、水が水着と体の間に入り抜けないので、これがレース本番で起こるとタイムに影響することもあります。あらかじめ、練習会で1-2回着ておくことは、水着に慣れるためにおすすめです。
3回くらい着ると、生地も柔らかくなって、着用時間も短くなります。生地と水とのなじみもよくなります。本番までにこのような準備をしておくことが望ましいです。

水着専門店を選ぶときのコツ

自分の体に合った水着を購入するには、水着専門店で、店員さんと相談しながら選ぶのがおすすめです。水着専門店を選ぶ時、行く時のコツもご紹介します。

  • 自分がどのような泳ぎをしたいのか、しっかり伝えることで、店員さんがベスト水着を勧めてくれる
  • 可能なら平日の昼間に行くと良い。ゆったり選べるし、店員さんがより丁寧に対応してくれる
  • ネット購入でなく実店舗購入の最大のメリットは、試着できること。試着室が広い、試着室が複数ある。これって結構重要ポイント。特に土日に買いに行く人。男性で体が大きい人。
  • 欲しい水着の在庫があること。事前に電話問い合わせしておくのもよい。
  • 会員割引に快く対応してくれる店はうれしい。
  • ジュニアからマスターズまで、選手から趣味のスイミングまで、お客の事情と要望をよく聞いてくれる店は信頼できる。
  • チームキャップ、チームウエアなど、チームオーダーに対応してくれる店もうれしい

新宿の水着専門店がお勧めです。このページを店員さんに見せて相談しましょう

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㈱ときわスポーツ スイミングスイマーの店舗情報。

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最後になりますが、水着メーカーの高速水着についてのHPの情報も役に立つと思いますので、ご紹介します。
ミズノGX
https://jpn.mizuno.com/swim/product/flat_swim/gx

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